終末期医療とは異なる看取り介護の定義と現状、背景

看取りの意味は元来、病人に付きっきりの世話・看病をすることだった。
しかし近年では看取る=相手の最期を見届けるよう、身近で世話・看病をすることとして広く普及している。
特に病院ではなく自宅・入所施設での介護においては、看取り介護とも呼ばれる。
現代の看取りを定義づけるなら、病院で入院したまま最期を迎えさせず、家族やサービスの協力を経て、住み慣れている自宅で自然に死亡するまで過ごすことになる。
設備が整い、看護・介護スキルを培ったプロのいる病院の方が、当然ながら延命においては実効性がある。

2000年代は病院で最期を迎える患者の割合が8割とほぼ一般的だったが、無理な延命治療により、延命は出来ても意識や尊厳が損なわれたまま死亡するケースが多く知られるようになった。
このような状態は、利用者本人にとって喜ばしいものなのか、利用者が望む形なのかといった疑問はたしかに残る。
特にそういった形で自分たちの親を見送った現高齢者世代は、寿命としては短くなるとしても自宅や施設で自然に亡くなる尊厳死を希望する声が増えつつある。
死の近い相手の苦痛を可能な限り除き、尊厳ある死を迎えさせることにおいて、看取り介護と理念が近しいのは終末期医療だ。
しかし終末期医療が医療行為をするのに対し、看取り介護では医療行為は行わない。
あくまで日常生活の中で出来る範囲において、精神的・身体的な苦痛の少ない生活を送れるようにする、家族や入所施設スタッフのサポートが前提となる介護だ。
現代では在宅介護が困難なケースも多く、介護施設での看取りが増加している。